第3章・漢方薬の覚え方20選|元大学講師が語呂合わせで解説

第3章・漢方薬の覚え方20選|元大学講師が語呂合わせで解説

2026年4月時点の情報です。出題範囲は「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)」に基づきます。

【この記事でわかること(3秒で解説)】
  • 漢方は捨て問NG!3つの軸で効率的に暗記
  • 頻出20選の語呂合わせで試験直前まで点数UP
  • 現場の漢方相談でも即戦力になる知識が身につく
目次

漢方はもう「捨て問」ではない

「漢方はどうせ捨てていい」

受験勉強を始めたころ、先輩合格者からそう聞いた人もいるでしょう。しかし今の登録販売者試験で、その情報は通用しません。近年の試験では、第3章の問題に漢方薬・生薬に関する記述が含まれる割合が増加しています。2022年度の北海道・東北ブロックでは、第3章の約半数の問題に漢方・生薬関連の記述が含まれたという報告もあります。

第3章は全120問中40問を占め、合格には避けて通れない最重要章です(参考:厚生労働省「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)」)。漢方を捨てた状態で試験に臨み、精神的ダメージを受けて基本問題まで落とした——そういう経験談は採用現場でも耳にします。

本記事では、私が実際に使用してきた語呂合わせを厳選して20個紹介します。試験に出やすいポイントに絞って解説します。試験直前の見直しにもそのまま活用できる構成にしています。

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漢方薬を一気に覚える3つの軸

漢方薬の暗記に挫折する最大の原因は「丸暗記しようとすること」です。長い効能文を一字一句覚えようとすれば、頭がパンクするのは当然です。

以下の3軸でシンプルに整理する方法があります。

軸①カテゴリー(何に使う薬か)
「かぜ薬」「鎮咳薬」「婦人薬」など、大分類を最初に固める。問題文の誘導ですぐ絞り込める。

軸②体力の証(しばり表現の核心)
漢方医学では「証(しょう)」と呼ばれる体力・体質の区別が薬の使い分けの基準になります。試験では「体力充実」から「体力虚弱」まで、どの証に使う薬かが必ず問われます。

軸③キーワードと重大副作用
問題の正誤を決める一語を語呂で固定する。「汗なし」「こむら返り」「インターフェロン」など、出題者が毎年使い回す言葉があります。

この3軸を意識しながら、以下の20選を見ていきましょう。

暗記の3軸 見るべきポイント 試験での活用法
① カテゴリー 何に使う薬か(かぜ薬、婦人薬など) 問題文の誘導から対象外を一瞬で消去する
② 体力の証 体力充実〜体力虚弱までの適応 ひっかけ問題の「しばり表現」を見破る
③ キーワード 「汗なし」「こむら返り」などの特有のワード 正解となる選択肢を1秒で確定させる

かぜ薬の漢方5選

① 葛根湯(かっこんとう) ▶ 体力中等度以上・汗なし・肩こり・かぜ初期

語呂:「ガッツある人が汗かかず、肩こりガッコン!」

かぜの初期で汗が出ていない人に使います。肩こりや筋肉痛にも適応がある点は頻出です。マオウとカンゾウを含みます。試験で最も登場回数の多い漢方の一つです。

② 麻黄湯(まおうとう) ▶ 体力充実・汗なし・寒気・頭痛・関節痛

語呂:「まぁ、お湯に入れるのは体力充実の人だけ。マオウたっぷり」

マオウの含有量が葛根湯より多いため、体の虚弱な人には使えません。「体力充実」のかぜ初期に特化した漢方と覚えましょう。

③ 桂枝湯(けいしとう) ▶ 体力虚弱・汗あり・かぜ初期

語呂:「軽い(桂)身体で汗あり。虚弱な風邪に桂枝湯」

葛根湯・麻黄湯との最大の違いは「汗あり」と「体力虚弱」です。「汗なし=葛根湯・麻黄湯」「汗あり=桂枝湯」というセットで頭に入れてください。

④ 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) ▶ 体力中程度またはやや虚弱・水様の鼻汁・くしゃみ・アレルギー性鼻炎

語呂:「小さな竜が水(みず)っぱなを噴いてる」

アレルギー性鼻炎や花粉症にも使われます。「水のような鼻汁」が頻出のキーワードです。

⑤ 香蘇散(こうそさん) ▶ 体力虚弱・神経過敏で胃腸が弱い人のかぜ・血の道症

語呂:「香りで気うつを散らす、虚弱な人のかぜ薬」

「気うつ気味」という精神的な要素を含むかぜに使います。体力虚弱でも使えるかぜ薬として、桂枝湯と並んで覚えましょう。


鎮咳・のど薬の漢方3選

⑥ 麦門冬湯(ばくもんどうとう) ▶ 体力中程度以下・空咳・痰が切れにくい

語呂:「麦畑で空咳、痰が切れない。麦門(バクモン)」

乾いた咳が続く「からぜき」が重要なキーワードです。痰が少なく・切れにくい症状に使います。

⑦ 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう) ▶ 体力中程度・のどの異物感・気分がふさぐ

語呂:「半夏さんのどに梅の核が詰まり、気分もふさぐ」

「のどに何かが詰まったような感じ(梅核気)」が典型的なしばり表現です。精神的な症状を伴うのどの不快感に使います。

⑧ 五虎湯(ごことう) ▶ 体力中程度以上・激しい咳・喘鳴

語呂:「5頭の虎がゼーゼー吼える!激しい咳に五虎湯」

「激しい咳」と「喘鳴(ぜんめい)」がキーワードです。参考として、麻杏甘石湯に生薬(桑白皮)を1種加えたものが五虎湯という関係性も知っておくと覚えやすいです。


鎮痛・筋肉の漢方2選

⑨ 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) ▶ 体力に関わらず・筋肉のけいれん・こむら返り・頓服で使用(連用しない)

語呂:「シャキッと足がつった!しゃくやくカンゾウ、すぐに出番あり」

「体力に関わらず使える」という点が他の漢方との大きな違いです。即効性があります。カンゾウを多量に含むため、長期連用による偽アルドステロン症への注意が試験で問われます。

⑩ 疎経活血湯(そけいかっけつとう) ▶ 体力中程度・慢性的な関節痛・筋肉のしびれ

語呂:「疎(そ)っと経絡の血を流し、慢性のしびれをとる」

急性ではなく慢性的な関節痛・しびれに使います。「慢性化した痛み」というキーワードで覚えましょう。


肥満・便秘の漢方3選

⑪ 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) ▶ 体力充実・腹部肥満・便秘・高血圧傾向

語呂:「防波堤(防風)を通る脂肪よ散(さん)れ!充実ガッツの便秘に」

「ナイシトール」などの市販薬でおなじみです。体力充実の人向けで、マオウとダイオウを含みます。

⑫ 大柴胡湯(だいさいことう) ▶ 体力充実・便秘・高血圧・肥満傾向・カンゾウを含まない

語呂:「大きな柴胡はカンゾウなし!充実ガッツで便秘を解消」

カンゾウを含まない点が試験で問われやすいポイントです。防風通聖散との最大の違いの一つです。偽アルドステロン症の対象から外れることを意識して覚えましょう。

⑬ 防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) ▶ 体力中程度以下・疲れやすく・水太り・汗をかきやすい・むくみ

語呂:「防波堤に色白さんが汗だく水太り。黄色い服で黄耆(おうぎ)」

「水太り」「色白」「汗をかきやすい」が選択肢を絞り込む決め手です。防風通聖散が体力充実なのに対し、こちらは体力中程度以下という対比を意識してください。


婦人薬の漢方3選

⑭ 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) ▶ 体力虚弱・冷え・むくみ・貧血気味・月経異常

語呂:「当然帰ってくる冷えと貧血。虚弱な女性の薬」

婦人薬3選の中で最も体力の弱い人向けです。「冷え」と「貧血気味」が典型的なしばり表現です。

⑮ 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) ▶ 比較的体力があり・のぼせ気味・下腹部痛・月経不順

語呂:「桂枝でのぼせた茯苓(ぶくりょう)、月経不順に」

当帰芍薬散が「冷え」なのに対し、桂枝茯苓丸は「のぼせ」がキーワードです。体力の位置と冷え・のぼせの対比をセットで覚えると定着が速い。

⑯ 加味逍遙散(かみしょうようさん) ▶ 体力中程度以下・更年期症状・イライラ・精神的な不安定さ

語呂:「更年期のイライラを加味して逍遥(のんびり)歩く」

婦人薬3選の中で「精神症状」が最も前面に出る漢方です。更年期のイライラや不定愁訴に使います。


泌尿器・胃腸の漢方4選

⑰ 八味地黄丸(はちみじおうがん) ▶ 体力中程度以下・頻尿・夜間尿・老化に伴う下半身の症状

語呂:「8つの味で地黄丸。腰の重い高齢者の頻尿に」

老化に伴う下半身の症状(頻尿・腰の重さ・倦怠感)がキーワードです。「高齢者向け」というイメージで覚えましょう。

⑱ 猪苓湯(ちょれいとう) ▶ 体力に関わらず・残尿感・頻尿・排尿痛

語呂:「猪(いのしし)が尿道を走り、痛くて残尿感」

「体力に関わらず使える」点が八味地黄丸との大きな違いです。排尿の不快症状に特化した漢方と覚えましょう。

⑲ 六君子湯(りっくんしとう) ▶ 体力中程度以下・胃腸虚弱・食欲不振・疲れやすい

語呂:「六人の君子が虚弱な胃袋をケアする」

食欲のない虚弱体質の人向けの胃腸薬です。体力中程度以下という点を他の胃腸系漢方と区別して覚えましょう。

⑳ 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) ▶ 体力充実・顔のにきび・皮膚炎

語呂:「清(清潔な)顔(上)を防風して吹き出物を吹き飛ばす」

「清上」の「上」は顔・上半身を意味します。皮膚炎やにきびの漢方として「顔の症状に使う」と覚えれば十分です。

分類体力充実 / 中等度以上体力中等度 / 体力に関わらず体力虚弱 / 中等度以下
かぜ麻黄湯、葛根湯小青竜湯桂枝湯、香蘇散
鎮咳・のど五虎湯半夏厚朴湯麦門冬湯
鎮痛・筋肉芍薬甘草湯(関わらず)、疎経活血湯
婦人薬桂枝茯苓丸当帰芍薬散、加味逍遙散

【試験直前チェック】副作用2大ポイント

漢方薬の問題では、効能だけでなく副作用・使用注意が毎年出題されます。以下の2点は必須暗記です。

ポイント①カンゾウ(甘草)→偽アルドステロン症

カンゾウを多量に含む漢方薬(芍薬甘草湯・防風通聖散など)を長期服用すると、むくみ・血圧上昇・低カリウム血症(偽アルドステロン症)が起こるおそれがあります。大柴胡湯は「カンゾウを含まない」という点が試験で問われやすい箇所です。カンゾウを含む漢方を選択肢で見た瞬間に「偽アルドステロン症」が頭に浮かぶようにしておきましょう。

ポイント②小柴胡湯×インターフェロン製剤→間質性肺炎リスク

インターフェロン製剤で治療中の人が小柴胡湯を使用すると、間質性肺炎の副作用リスクが高まります。選択肢に「インターフェロン」という言葉が出てきたら、それは小柴胡湯の問題と考えてください。この組み合わせを見た瞬間に反応できるよう、条件反射として定着させましょう。

重大な副作用リスク原因となる主な生薬・漢方試験での出題ポイント
偽アルドステロン症
(むくみ、血圧上昇など)
カンゾウ(甘草)長期連用への注意。「大柴胡湯はカンゾウを含まない」が超頻出。
間質性肺炎
(息苦しさ、空咳など)
小柴胡湯
× インターフェロン
インターフェロン製剤との併用禁忌は絶対暗記項目。

対策講座で「反復」の仕組みを持つ人が強い

これまでに私が見てきた中で、短期合格できた人の共通点があります。それは「覚えた翌日に必ず見直す仕組みを持っていた」ことです。漢方薬は特に「昨日覚えたはずなのに今日は思い出せない」という現象が起きやすい領域です。

独学では反復のタイミングを自分でコントロールする必要があり、モチベーションの波に左右されやすいのが現実です。体系的なカリキュラムで自動的に反復が組み込まれている通信講座は、この弱点を補う手段として有効です。費用・学習サポート・合格実績の比較は、以下の記事でまとめています。

【まっく先生おすすめ|登録販売者試験対策講座を比較してみる】 → 受講料・サポート内容・合格実績を一覧でチェック

試験対策講座の詳細確認や資料請求は、各社に直接問い合わせるよりも記事内のリンクを経由するほうが効率的です。比較の手間を省いて、学習時間に充ててください。


漢方薬は試験の要であり、実務の武器でもある

今回紹介した20選を試験対策として身につけることは、合格後の現場でも直接の武器になります。採用面接の現場で印象的だったのは「漢方相談を任されています」と話す登録販売者たちです。ドラッグストアでの漢方相談は専門性が問われる業務であり、そのスキルを持つ人材は職場でも重宝されます。

試験のための暗記にとどめず、現場での接客力に直結する知識として定着させてください。語呂合わせは入口に過ぎません。本記事の20選を頭に入れた後は、過去問でしばり表現の選択肢を識別する練習に移るのが最も効率的な次のステップです。

(※本記事で紹介した語呂合わせはまっく先生オリジナルの学習補助ツールです。各漢方薬の正確な効能・効果・用量については、厚生労働省「登録販売者試験問題作成に関する手引き(令和7年4月)」および各製品の添付文書を必ずご確認ください。)

漢方薬は漢字ばかりでどうしても頭に入りません。どうすればいいですか?

漢字を一字一句丸暗記しようとするのはNGです。まずは本記事で紹介した「体力の証」と「特徴的なキーワード(汗なし、こむら返り等)」をセットにして、語呂合わせで音声としてインプットしてください。問題文の中にキーワードを見つける「宝探しゲーム」の感覚を持てば、漢字の羅列も怖くなくなります。

独学で登録販売者試験に合格することは可能ですか?

独学での合格も十分に可能ですが、漢方薬のように反復学習と定着の確認が必要な分野は、どうしてもモチベーションの維持が課題になります。効率よく最短での合格を目指すなら、体系的なカリキュラムやスマホ学習機能が揃った通信講座を利用するのも賢い選択です。迷っている方は「登録販売者おすすめ通信講座3選|元大学講師の薬剤師が本音で比較」の記事を参考に、ご自身のライフスタイルに合った学習環境を見つけてみてください。

試験で覚えた漢方の知識は、現場に出てから本当に役立ちますか?

圧倒的に役立ちます。ドラッグストアの現場では、「どの風邪薬がいい?」「この便秘薬はどう違うの?」といった相談と同じくらい、漢方薬に関する深い相談が寄せられます。お客様の「証」を見極めて的確な漢方を提案できる登録販売者は非常に少なく、店舗の売上と信頼に直結するため、店長や会社からも高く評価されます。

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この記事を書いた人

大学講師として登録販売者試験講座を担当した経験を持つ。薬剤師と元大学講師としての目線で登録販売者試験に合格するための戦略を発信。

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