※本記事は2026年4月時点の情報です。
- 第2章は図解で人体の構造を立体的に把握する
- 出題頻度の高い消化器系と副作用に注力する
- 実務に直結する知識と捉えることで定着率UP
「第2章で止まってしまう」その理由は、勉強法にあります
「第1章は何とか乗り越えたのに、第2章に入ったとたん、急に頭に入らなくなった。」
そう感じているなら、その感覚は正常です。私が大学の登録販売者試験対策講座を担当する中で、受講生の多くが第2章で学習の失速を経験しています。第1章とは異なり、第2章では臓器の名称・働き・薬の吸収経路・副作用の症状名など、覚えるべき要素が一気に増えます。
ただ、よく見るとこの章には明確な構造があります。出題パターンも絞られており、正しい攻略順と重点項目を押さえれば得点源に変えられる章です。
薬剤師として医薬品の専門知識を持ち、採用側・教育側の両方の視点を持つ立場から、第2章を効率よく乗り越えるための具体的な方法を解説します。
第2章の全体像と出題数を把握する
まず、第2章の試験における位置づけを整理します。
登録販売者試験は、厚生労働省が公表している「試験問題の作成に関する手引き」に基づき、全国の都道府県が問題を作成します。試験は全120問で構成されており、第2章「人体の働きと医薬品」の出題数は20問です。
厚生労働省医薬局のデータによると、令和6年度の全国合格率は都道府県によって差があり、北海道の62.3%から沖縄県の24.5%まで幅があります(出典:厚生労働省医薬局「令和6年度登録販売者試験実施状況」)。全国的な目安は40〜50%前後で推移しており、決して「簡単すぎる試験」ではありません。
第2章の20問は、以下の三つのテーマで構成されています。
テーマ① 人体の構造と働き 出題数が最も多い、第2章の核心部分です。
テーマ② 薬が働く仕組み 吸収・分布・代謝・排泄の4プロセスを問う領域です。
テーマ③ 症状からみた主な副作用 副作用の種類と症状の特徴を問う領域です。
この三つの位置関係を頭に入れてから学習をスタートすることが、最初の重要なステップです。
| 出題テーマ | 内容のイメージ | 対策の優先度 |
|---|---|---|
| 人体の構造と働き | 各臓器の名称・構造・役割の理解 | ★★★(最重要・出題多数) |
| 薬が働く仕組み | 吸収・分布・代謝・排泄のプロセス | ★★☆(仕組みを理解すれば得点源) |
| 症状からみた主な副作用 | 副作用の初期症状と発生メカニズム | ★★★(実務直結・超頻出) |
第2章が「難しい」と感じる本当の理由
大学の講座で指導していた際、受講生から繰り返し聞いた言葉があります。「文章は読めるのに、内容が全然頭に残らない。」
この悩みの原因は、テキストの文字情報だけを追って、臓器のイメージを作れていないことです。
人体の構造は、自分の体の話でありながら、実際に手で触れたり目で見たりすることができません。そのため、文字情報だけで暗記しようとすると、すぐに混乱が生じます。
例えば、「消化管は口腔・咽頭・食道・胃・小腸・大腸・肛門までを指し、平均的な成人で全長約9mある」という記述を読むとき、9mという長さをリアルに想像できているかどうかで、記憶の定着は大きく変わります。小腸だけで6〜7mもあるという事実は、具体的な数字として頭に刻んでおく価値があります。
イラスト・図を使いながら学ぶことは、効率を上げる手段ではなく、この章では必須の学習法です。テキストの図を何度も見ながら、臓器の位置関係を立体的に把握することから始めてください。
【人体の構造】高頻度出題テーマを絞る
「人体の構造と働き」の中で、特に試験への出題頻度が高い領域は消化器系と循環器系です。この二つは、1回の試験でそれぞれ2〜3問出題されることがある最重要テーマです。
一方で、感覚器官(目・鼻・耳)や骨格系・筋組織は、出題される場合でも問題数が少ない傾向があります。出題範囲が広いにもかかわらず点数に結びつきにくいため、学習時間の配分に注意が必要な領域です。
【消化器系の重点ポイント】
「咽頭」と「喉頭」の混同は頻出の引っかけです。咽頭は食道に通じるため呼吸器系・消化器系の両方に含まれます。喉頭は呼吸器系のみに含まれます。漢字の読み間違いも含め、正確に区別することが求められます。
| 器官名 | 所属する器官系 | 主な特徴と働き |
|---|---|---|
| 咽頭(いんとう) | 消化器系 + 呼吸器系 | 口腔から食道に通じる食物路と、呼吸器の気道とが交わるところです[cite: 1]。 |
| 喉頭(こうとう) | 呼吸器系 のみ | 入り口に喉頭蓋があり、嚥下時に閉じることで飲食物の気管への流入を防ぎます[cite: 1]。 |
【循環器系・神経系の重点ポイント】
自律神経系は「第3章 主な医薬品とその作用」を理解するための土台になります。交感神経系と副交感神経系が、それぞれ各臓器にどのような影響を与えるかを表として整理しておくと、第3章の医薬品の作用・副作用の暗記が格段にスムーズになります。
少し想像してみてください。アドレナリン作動成分を含む薬を使用したとき、なぜ瞳孔が開き、心拍数が上がるのか。自律神経の仕組みを理解していれば、成分名を一つ覚えるだけで複数の薬理作用が推測できます。これが第2章を「第3章の礎」として活かす学習法です。
【薬が働く仕組み】吸収・分布・代謝・排泄の4プロセス
薬が体内でどのように動くかを学ぶこのテーマは、専門用語が多く最初はとっつきにくい印象を受けます。しかし出題パターンは比較的整理されており、4つのプロセスの意味と、それぞれが体のどの部位で起こるかを対応させて理解することが攻略の核心です。
特に押さえておきたい点を挙げます。
医薬品の有効成分は、主に小腸で吸収されます。坐剤(直腸投与)は直腸の粘膜から吸収されるため、内服薬よりも速く全身に作用が現れます。投与経路と吸収速度の関係は、問題として頻出です。
代謝については、多くの場合は肝臓で行われます。「初回通過効果」という概念も確認しておく価値があります。経口投与の薬は小腸から吸収された後、門脈を経由して肝臓を通過します。このとき、一部の有効成分は肝臓で分解・変換されてから全身循環に入ります。
【副作用】超頻出4テーマを完全制覇する
「症状からみた主な副作用」は、第2章の中では一般常識の延長線上で解ける問題が比較的多い領域です。テキストを一から読み込むよりも、出題頻度の高いテーマから過去問で感触をつかむ方法が効率的です。
出題頻度の上位テーマは以下の通りです。
第1位:呼吸器系に現れる副作用 間質性肺炎が代表的です。空咳・息切れ・発熱などの症状と、症状が出た際の対応を覚えておきましょう。
第2位:皮膚に現れる副作用 接触性皮膚炎と光線過敏症の「違い」が問われます。両者の原因・症状・再発のメカニズムを比較して整理することが重要です。
第3位:消化器系に現れる副作用 消化性潰瘍とイレウス様症状(腸閉塞様症状)が代表例です。症状の特徴を正確に覚えることが必要です。
第4位:重篤な皮膚粘膜障害 皮膚粘膜眼症候群(SJS:スティーブンス・ジョンソン症候群)と中毒性表皮壊死融解症(TEN:ライエル症候群)の二つは、別名・症状・発生頻度・特徴をセットで覚えておくことが重要です。
| 副作用の略称 | 正式名称(別名) | 症状の特徴・発生頻度 |
|---|---|---|
| SJS | 皮膚粘膜眼症候群 (スティーブンス・ジョンソン症候群) |
高熱とともに、全身の皮膚・粘膜に発疹や水疱が出現。発生頻度は稀だが極めて重篤。 |
| TEN | 中毒性表皮壊死融解症 (ライエル症候群) |
SJSがさらに進行・重症化した病態。全身の皮膚が火傷のように剥がれ落ちる。 |
「重篤」という言葉の重みを実感することが大切です。SJSとTENは発症頻度は低いものの、患者の命に関わる重大な副作用であり、登録販売者が購入者に対して早期の医療機関受診を促すべき最重要疾患の一つです。
試験直前チェックリスト:第2章の重要ポイント
直前期に読み返すための確認リストです。
人体の構造
- 消化管の全長(約9m)・小腸の長さ(6〜7m)
- 咽頭(消化器系+呼吸器系)と喉頭(呼吸器系のみ)の区別
- 自律神経の二重支配:交感神経 vs 副交感神経の各臓器への作用
薬が働く仕組み
- 主な吸収部位:有効成分は主に小腸で吸収
- 坐剤(直腸投与)→ 内服薬より速く作用
- 初回通過効果:経口薬が小腸→門脈→肝臓を通過する流れ
副作用(超頻出4テーマ)
- 間質性肺炎:症状(空咳・息切れ)と対処
- 接触性皮膚炎 vs 光線過敏症の違い
- 消化性潰瘍・イレウス様症状の特徴
- SJS(別名・症状・頻度)・TEN(別名・症状・頻度)
第2章で点数を落とさないための時間配分戦略
私が採用側として面接してきた合格者の中には、試験対策の時間配分を意識している人が多くいました。
登録販売者試験で最も問題数が多い第3章「主な医薬品とその作用」は40問です。第2章の20問の2倍にあたります。第2章の細部の暗記に時間をかけすぎると、得点への影響が大きい第3章の準備が手薄になるリスクがあります。
具体的な取り組み方としては、まず第2章の全体像を1周して理解を優先させます。消化酵素の細かい種類名や血液成分の細かい数値など、一部の細部知識は全体を把握した後で改めて補強する方が効率的です。
試験対策講座を活用している受験生の多くが、この優先順位の付け方をサポートされる点に価値を感じていると話しています。独学では「この箇所に時間をかけすぎているかもしれない」という判断が難しく、知らず知らず非効率な配分になりがちです。
カリキュラムの中で出題頻度の重みづけが整理された教材を使うことは、限られた学習時間を最大限に活かす上で合理的な選択です。
「第2章が苦手」を資産に変える発想転換
人事部長として採用面接を行っていた頃、「第2章が一番大変でした」と正直に話す合格者に対して、私は好印象を持っていました。
苦手な章を認識し、それを乗り越えた経験は、実務での問題解決力の片鱗を示しています。ドラッグストアや調剤薬局の現場では、副作用の初期症状に気づく目が求められます。第2章で学ぶ副作用の知識は、資格を取った後の実務で直接活きる内容です。
「なぜこの症状が起こるのか」を理解しながら覚えた知識は、試験後も消えません。暗記だけで乗り越えた知識との差が、実務での応用力として現れます。
(※個人情報保護のため一部設定を変更していますが、実際の採用現場での事例です)
第2章の苦手意識は、適切な学習法で大幅に軽減できます。臓器をイメージし、出題頻度の高いテーマに集中し、副作用の4テーマを丁寧に押さえる。この三つを実行することで、第2章は得点を積み上げられる章に変わります。
今使っている教材やカリキュラムに不安を感じているなら、専門家が設計した試験対策講座のカリキュラムを一度確認することをお勧めします。第2章だけでなく、全5章の時間配分と学習順序を効率化しやすくなります。
第2章の苦手を乗り越えた先に何があるか
第2章を攻略した後に待っているのは、試験で最もボリュームの大きい第3章です。しかし、第2章で自律神経の働き・吸収・代謝のプロセス・副作用の基礎を理解していれば、第3章の医薬品知識は「すでに知っている仕組みの応用」として読み解くことができます。
「第2章がしっかり入った感覚があったとき、第3章が急に面白くなった」という声を講座で何度も聞いてきました。
土台が固まれば、その上に積み上がるものは速くなります。第2章の学習に今向き合っているあなたは、合格に向かう正しい道を歩んでいます。
独学で時間を浪費するより、プロが設計したカリキュラムに頼ることで、浮いた時間を第3章の暗記や過去問演習に回せます。結果として、合格率と実務への応用力は大きく変わります。
あなたに合った試験対策講座の選び方や、各社のカリキュラム比較については、以下の記事で詳しく解説しています。効率的に合格を勝ち取りたい方は、ぜひ参考にしてください。
- 第2章の過去問はどのタイミングで解き始めるべきですか?
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全体を1周サラッと読み終えたら、すぐに頻出テーマ(消化器系や副作用など)の過去問に触れてください。完璧に覚えてから解くのではなく、「試験ではどの深さで問われるのか」を過去問で把握してから、テキストの復習に戻るのが最短ルートです。
- 第2章のカタカナ用語や臓器の名前がどうしても覚えられません。どうすればいいですか?
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文字だけで暗記しようとするのが失敗の要因です。必ずテキストの図解やイラストを開き、自分の体と照らし合わせながら立体的に位置関係を把握してください。もしテキストでの学習が行き詰まっているなら、視覚的・聴覚的にプロの解説を聞ける講座を活用するのも手です。「[登録販売者おすすめ通信講座3選|元大学講師の薬剤師が本音で比較]」で私が見極めた確実な講座を紹介しているので、一度学習環境を見直してみてください。
- 「薬が働く仕組み」の代謝や初回通過効果が理解できません。
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「口から飲んだ薬が、小腸で吸収され、門脈を通って、まず肝臓の関所を通る(ここで一部が分解される=初回通過効果)」というストーリーで捉えてみてください。用語単体ではなく、「薬の通り道」をイメージすることが攻略のコツです。

