社会人が働きながら登録販売者に合格する方法|元大学講師が解説

社会人が働きながら登録販売者に合格する方法|元大学講師が解説

2026年3月時点の情報です。

【この記事でわかること(3秒で解説)】
  • 学習は最難関の「第3章」から!暗記の逃げ切りを防ぐ
  • 1日65分のスキマ時間だけで合格圏内に入る戦略
  • 働きながらの合格は、採用側への最強のアピールになる
目次

「仕事が忙しくて勉強できない」という言い訳、そろそろやめませんか?

仕事が終わったら疲れ果てて、テキストを開く気力がない。 そう感じていませんか?

「働きながらの受験は不利」——もしそう思っているなら、それは大きな誤解です。

私はこれまで、大学の登録販売者試験対策講座で試験合格を目指す受講生を数多く見てきました。薬剤師として、人事部長として、そして講師として、あらゆる側面からこの試験と向き合ってきた私が確信していることがあります。

「時間がない」は、じつは問題の本質ではない——そういうことです。

本当の課題は「限られた時間をどう使うか」という戦略の欠如にあります。この記事では、フルタイムで働きながら登録販売者試験に合格するための、具体的な学習戦略をお伝えします。採用する側の目線と、試験を教える側の知見を組み合わせた情報ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。


試験の実態を正しく理解する

まず、登録販売者試験の実態を正確に把握することが出発点です。

厚生労働省が公表するデータをもとに複数の学習支援サービスが集計した結果では、全国平均合格率は40〜50%前後で推移しています。直近では2024年度が46.7%、2025年度が40.7%という数値が報告されています(出典:ユーキャン「登録販売者試験の日程・合格率」、厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」参照)。

この数字を見て「思ったより高い」と感じた方もいるかもしれません。一方で「約半数が落ちている」ととらえれば、決して油断できない試験だともわかります。

合格率が都道府県によって異なる点も見落とせません。同じ年度でも、高い地域と低い地域では30〜40ポイント前後の開きが出ることもあります(出典:STUDYing「登録販売者試験の合格率・難易度」)。


社会人が直面する「3つの壁」

働きながら合格を目指す受験生に共通するつまずきポイントがあります。私が講座で指導していた際に実感してきた範囲では、以下の三つの壁が特に多いです。

壁① 勉強時間の確保問題

登録販売者試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に250〜400時間程度が目安とされています(出典:STUDYing・ユーキャンほか複数の学習支援サービス)。

1日2時間確保できれば、4〜6ヶ月での合格が現実的な射程に入ります。しかし「1日2時間は無理」と最初から諦めている方も多いのです。

少し想像してみてください。 通勤電車30分、昼休み20分、就寝前15分。これだけで1日65分の学習時間が確保できます。

スキマ時間の積み上げが、社会人学習の最大の武器になるのです。

壁② 「どこから手をつけるか」がわからない

登録販売者試験は、以下の5つの科目から構成されています。

  • 第1章:医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)
  • 第2章:人体の働きと医薬品(20問)
  • 第3章:主な医薬品とその作用(40問)
  • 第4章:薬事関連法規・制度(20問)
  • 第5章:医薬品の適正使用・安全対策(20問)

合計120問がマークシート方式で出題され、全体の70%以上かつ各科目35〜40%以上の得点が合格基準です(出典:各都道府県試験要項・厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」)。

講師の立場から言うと、多くの受講生が第1章から順番に勉強し始めるという過ちを犯します。しかし受験生がつまずく最大の難関は第3章「主な医薬品とその作用」です。薬の成分名・効能・禁忌が膨大で、後回しにすると試験直前に時間が足りなくなります。

戦略的な学習順序は「第3章→第2章→第4章→第1章→第5章」です。

暗記量の多い科目を先に攻略することで、直前期の焦りを防げます。

壁③ モチベーションの維持

独学最大の敵は「孤独」です。

1人で学習を続けていると、理解できない箇所で止まってしまい、そのまま学習が途絶えるケースが多発します。

挫折するかどうかは、学習環境の設計で大きく変わります。

直面する壁 陥りがちな失敗 大学講師が推奨する突破戦略
① 時間の確保 まとまった時間を取ろうとして挫折する 通勤30分+昼休み20分+就寝前15分=「1日65分」のスキマ時間を死守する。
② 学習の順序 第1章から真面目に順番通り勉強する 最難関の「第3章(主な医薬品とその作用)」から着手し、暗記の逃げ切りを防ぐ。
③ モチベーション 独学の孤独に耐えられず学習が途絶える プロ(通信講座)のスケジュール管理やサポート環境に投資し、強制力を味方につける。

採用側が知っている、登録販売者資格の「本当の価値」

ここで、採用する側の視点を共有させてください。

人事部長として登録販売者の採用に関わってきた経験から言えることがあります。

「働きながら資格を取得した」という経歴は、採用担当者の目に特別に映ります。それは「業務遂行能力」「自己管理能力」「継続力」の三つを同時に証明するからです。

新卒・中途問わず、「勉強だけに集中して合格しました」よりも「仕事と両立しながら合格しました」の方が、現場での評価が高いのは業界の現実です。

つまり、社会人として働きながら受験する立場は、ハンデではなくアドバンテージになりえるのです。


通信講座 vs 独学:社会人にとっての正しい選択軸

「独学でいくか、講座を使うか」という問いは、多くの受験生が抱える悩みです。この問いに対して、私は次のように整理しています。

独学が向いているケース

薬学や医療の実務経験があり、基礎知識がすでに備わっている方。自分でスケジュール管理ができ、不明点を自力で調査できる方。

通信講座が向いているケース

医薬品の知識がゼロからのスタートである方。仕事が忙しく、学習の「優先順位づけ」を専門家に任せたい方。 一発合格にこだわる事情がある方(昇給・転職・会社からの指示など)。

合格率が40〜50%台で推移している現実を踏まえると、社会人が独学一本で臨むことにはリスクが伴います。年に1度しかない試験であり、不合格ならば翌年まで待つことになるからです。

通信講座は「合格への専属コーチ」のような存在です。学習の優先順位・スケジュール・重要ポイントの整理を任せることで、限られた時間を最大限に活かせます。

比較項目 独学 通信講座
向いている人 薬学の基礎知識・実務経験がある人 完全初学者・時間がなく最短合格したい人
学習スケジュール 自分で法改正や試験日を調べ計画を立てる プロが作成した最新カリキュラムに沿うだけ
費用感 数千円〜1万円程度(テキスト代のみ) 数万円(ただし時短と合格率UPの投資効果あり)
挫折リスク 非常に高い(疑問点を自力で解決する必要あり) 低い(質問サポートや添削指導で伴走してくれる)

関連記事:[登録販売者通信講座の選び方|費用・カリキュラム・サポート体制を徹底比較]


社会人が実践すべき「3ステップ学習法」

具体的な学習戦略を提示します。

ステップ① 試験日から逆算してスケジュールを設計する

登録販売者試験は例年8月下旬〜12月中旬にかけて都道府県ごとに実施されます。まず受験する都道府県の試験日を確認し、そこから逆算して「1ヶ月目に何を終わらせるか」を設計してください。

目安として、合格に必要な学習時間の約半分を第3章に充てる計画が現実的です。

ステップ② スキマ時間を「インプット専用」に設定する

通勤時間や休憩時間など、短時間のスキマは「新しい知識を入れる時間」として活用します。スマートフォンで視聴できる講義動画や一問一答アプリは、この用途に適しています。

一方、週末のまとまった時間(2〜3時間程度)は過去問演習に集中する設計が効果的です。インプットとアウトプットの時間帯を意図的に分けることで、学習の質が上がります。

ステップ③ 「足切り」を絶対に起こさない科目管理を行う

先述のとおり、登録販売者試験には各科目の最低得点基準(足切り)があります。特定の科目を捨てる戦略は通用しません。

私が対策講座で指導していた際に経験した範囲では、第4章「薬事関連法規・制度」を「難しそう」と敬遠し、直前期まで放置してしまう受験生が一定数いました。その結果、全体点数は合格ラインを超えているのに第4章の足切りで不合格、というケースを何度も目にしてきました。

苦手科目こそ、早期に着手することが合否を分けます。


【薬剤師視点】医薬品知識ゼロの人が最初に理解すべきこと

医薬品の知識がまったくない状態から勉強を始める方に、薬剤師として一点だけ伝えておきたいことがあります。

登録販売者試験は「理解」よりも「分類と暗記」で戦う試験です。

「この薬はなぜこの成分が入っているのか」という理屈の追求は、試験対策の文脈では回り道になりがちです。まず「この成分がどの分類に属し、何に使われ、何が禁忌か」という枠組みを先に覚えることが、初学者には最も効率的なアプローチです。

不思議だと思いませんか?薬の専門知識が深くなるほど、試験の点数が伸びない受験生がいることを。

「知識の深さ」よりも「出題形式への慣れ」が、この試験では点数に直結します。


独学で挫折する前に知っておきたい「手引き改定」の落とし穴

登録販売者試験の出題範囲は、厚生労働省が公表する「試験問題の作成に関する手引き」に基づいています。

この手引きは定期的に改定されることがあります。改定があった箇所は出題されやすい傾向があるとも言われており、独学の場合はその情報を自力でキャッチアップする必要があります。

通信講座の大きなメリットの一つが、この改定情報への自動対応です。カリキュラムが最新の手引きに対応しているため、「古い情報で勉強してしまった」というリスクを避けられます。

独学でも対応は可能ですが、厚生労働省のウェブサイトを定期的にチェックする手間と知識が必要です。試験実施年の春頃(3月〜4月)に改定情報が出ることが多いため、意識的に確認する習慣をつけてください。


科目別の頻出テーマと対策の勘所

講師として受講生のつまずきを見てきた観点から、各科目の頻出テーマと対策の核心をまとめます。

第3章「主な医薬品とその作用」の攻略

この科目は120問中40問を占める最重要科目です。薬の成分を覚える際、「成分名→効能→注意点(禁忌・副作用)」という三点セットで記憶する習慣をつけることが重要です。

特に「アナフィラキシー」「皮膚粘膜眼症候群」などの重篤な副作用は、出題頻度が高い傾向があります。成分名だけでなく「どのカテゴリの薬に含まれるか」という分類の文脈で覚えることで、関連問題にも対応しやすくなります。

第2章「人体の働きと医薬品」の攻略

人体の構造は、文字だけで覚えようとすると定着しにくい科目です。臓器の位置・役割・薬の作用部位を図解でまとめることが、最も効率的なアプローチです。副作用名と症状の対応を表形式で整理しておくと、直前期の確認に大変役立ちます。

第4章「薬事関連法規・制度」の攻略

法律の条文そのものを覚えるのではなく、「第2類医薬品は誰が販売できるか」「要指導医薬品の定義は何か」といった実務的な定義と販売区分を正確に理解することが試験対策の核心です。医薬品・医薬部外品・化粧品・食品の区分も出題されます。区分の定義と具体例をセットで覚えておきましょう。


直前期(試験1ヶ月前)のチェックリスト

試験直前期に見返してほしい確認事項をまとめます。

学習面のチェック

  • 第3章の主要成分・禁忌・注意点を一通り復習した
  • 各科目の過去問(直近3年分)を1度以上解いた
  • 足切りリスクがある科目を優先的に復習した
  • 「薬害の歴史」(第1章後半)の事例・年代を整理した
  • 厚生労働省の「試験問題の作成に関する手引き」の改定情報を確認した

試験当日の準備チェック

  • 受験票・筆記用具・時計・昼食の準備を完了した
  • 試験会場までのルートと所要時間を確認した
  • 午前・午後の試験構成(各60問・120分)を把握している

登録販売者試験 科目別・重要ポイントまとめ(直前期参照用)

科目出題数難易度重点対策ポイント
第1章 医薬品の基本的な知識20問薬害の歴史・年代・事件名を整理
第2章 人体の働きと医薬品20問臓器の構造と副作用の関連を図解で覚える
第3章 主な医薬品とその作用40問成分名・効能・禁忌を分類ごとに暗記
第4章 薬事関連法規・制度20問薬機法の定義・販売区分を正確に把握
第5章 適正使用・安全対策20問低〜中添付文書の読み方・副作用報告制度を整理

合格ライン:全体70%以上(84問以上)+各科目35〜40%以上(都道府県による)


講座選びで確認すべき4つのポイント

通信講座を選ぶ際、費用だけで判断することは避けてください。私が採用現場での経験から重要だと考える確認項目は以下の通りです。

①カリキュラムが最新の手引きに対応しているか

年度によって改定がある可能性があるため、対応状況を確認することが基本です。

②質問サポートの形式と回数制限

「何度でも質問可能か」「メール・チャット・電話など対応形式は何か」を事前確認してください。社会人は疑問が生じるタイミングが不規則なため、サポートの柔軟性が重要です。

③スマートフォン対応の学習コンテンツがあるか

スキマ時間学習を最大限に活かすためには、スマホで完結できる講義動画や一問一答機能が備わっているかが鍵になります。

④合格後のフォローアップや保証制度の有無

万が一不合格だった場合の受講料返金・延長サポートなどの制度内容を確認し、自分が利用できる条件を満たしているか確認してください。

詳細な費用・カリキュラム・サポート体制については、各社に直接問い合わせるか、公式サイトで最新情報をご確認ください。

関連記事:[独学 vs 通信講座|登録販売者試験の費用対効果を徹底比較]


あなたが今すぐ始められること

登録販売者の試験は、年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。 受験資格のハードルはゼロです。

残っている課題は一つだけ——いつ動き出すか、です。

試験日の半年前から動き出す受験生と、3ヶ月前から始める受験生では、学習の余裕が大きく変わります。今この記事を読んでいるということは、すでに動き出す準備が整っているということです。

まず受験する都道府県の試験日程を確認し、必要な学習時間と開始日を計算してみてください。その計算が終わったとき、「今すぐ始めないとまずい」という実感が生まれるはずです。

通信講座の詳細なカリキュラムやサポート体制については、各社の公式サイトや資料請求で確認されることをおすすめします。記事内の比較情報と合わせて活用いただければ、自分に合った講座選びの判断が格段にしやすくなります。


参考データ出典

  • 厚生労働省「これまでの登録販売者試験実施状況等について」
  • ユーキャン「登録販売者試験の日程・合格率」
  • STUDYing「登録販売者試験の合格率・難易度」
  • 厚生労働省「試験問題の作成に関する手引き」
1日どれくらい勉強すれば、働きながらでも合格できますか?

一般的には1日2時間(トータル250〜400時間)が目安とされています。しかし、まとまった時間を確保する必要はありません。「通勤電車で30分」「昼休みに20分」「寝る前に15分」といったスキマ時間を積み上げるだけで1日65分になります。このスキマ時間を「講義動画の視聴」や「一問一答アプリ」にあてるだけで、十分に合格圏内を狙えます。

独学と通信講座、社会人にはどちらがおすすめですか?

:薬学の基礎知識がまったくない完全初学者の社会人には、圧倒的に「通信講座」をおすすめします。独学は費用を抑えられますが、法改正情報の収集や難解な第3章の暗記で挫折するリスクが高く、結果的に翌年再受験となって時間とお金を無駄にするケースが後を絶ちません。どの講座を選ぶべきか迷う方は、ぜひ登録販売者おすすめ通信講座3選|元大学講師の薬剤師が本音で比較の記事も参考にしてください。

手引きの改定情報は、自分で調べないといけませんか?

独学の場合は、毎年春頃に厚生労働省から発表される「試験問題の作成に関する手引き」の改定情報を自力で調べ、市販テキストの古い部分を修正する必要があります。一方、通信講座を利用していれば最新の改定情報がカリキュラムや教材に自動で反映されるため、調べる手間を省き、勉強だけに集中することができます。

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この記事を書いた人

大学講師として登録販売者試験講座を担当した経験を持つ。薬剤師と元大学講師としての目線で登録販売者試験に合格するための戦略を発信。

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